みなさん、こんにちは。ヤンキーです。
私は、東京大学に在学しながら、ヤンキー翻訳という海外リアクション動画の翻訳チャンネルを運営しています。また、現在は、リアクション動画の配信プラットフォームを作るべく、起業に向けて動いています。
正直なところ、「私の人生、こんなはずじゃなかった」といつも思っています。東大に入学し、一般的にエリートと呼ばれる企業に入り、30歳までには結婚して、家族4人で幸せに暮らしていく。そんな将来をぼんやりと描いていました。
ところが、リアクション動画との出会いにより、私の人生は180度違う方向に向かっていくことになります。
この記事では、なぜ私がリアクション動画にここまでこだわっているのか、そしてどのような未来を描こうとしているのか、について書いていこうと思います。
かなり長い記事になっているので、最後まで読んだ方にはご褒美として、ヤンキーの幼少期の写真を見られる&「ヤンキー」というあだ名の由来がわかるかも…!?(ここで離脱されそう)
そもそも「リアクション動画」って何?
「リアクション動画」とは、アニメや映画などの映像を視聴している配信者のリアクションを収録した動画のことを指します。「同時視聴」とも呼ばれ、ここ2年でVTuber界隈や芸人界隈、海外の配信者を中心に、YouTubeで急速に広まっています。
リアクション動画を配信する配信者は、「リアクター」と呼ばれ、視聴者はリアクターと一緒にアニメや映画を見ている感覚を味わうことができ、感動を共有したり、作品の新たな魅力に気付くことができます。
ヤンキーのアイデンティティ崩壊
未来の話をする前に、現在に至るまでのヤンキーの足跡を簡単に振り返ろうと思います。
私は、高校1年時に付き合っていた彼女に振られたのを機に、猛勉強を開始。その後見事、東京大学に合格します。そして、高校時代からやっていた長距離を大学でも続けることを決意し、陸上競技部に入部します。
この時の私は、「学問と運動どちらも極める文武両道な東大生」であることに、自分のアイデンティティを見出していました。今振り返ると、肩書き以外に何もない空虚な人間です。
ところが、大学2年になった時、新型コロナウイルスが拡大し、大学はしばらく休講。部活動ももちろん停止します。この時点で、ヤンキー君の「学問と運動どちらも極める文武両道な東大生」というアイデンティティは崩壊します。
私は、六畳一間の自室で、途方に暮れてしまいました。
迷走の日々
さて、空っぽな人間のヤンキーくん、この先どうすればいいのかと真剣に悩みます。そこで、出した答えは、「何かに打ち込む」こと。
私は、自粛期間が始まったその日からオンライン英会話を始め、毎日5~6時間ほど英語でのフリートークに勤しみました。
また、この頃から、アニメにどっぷりとハマっていきました。最初は、『鬼滅の刃』から入り、その後『ぼくは勉強ができない』『かぐや様は告らせたい』『俺ガイル』などラブコメにハマり、『進撃の巨人』で圧倒的な世界観を見せつけられ、アニメの魅力に目覚めてしまいました。
2020年4~9月の半年間は、1日の半分を英会話、もう半分はアニメを見るという日々を続けました。
この兄弟、何者?
アニメにハマっていく中で、ついに私は、リアクション動画との出会いを果たします。
2020年6月ごろ、YouTubeでぼーっと動画を見ていると、たまたま「進撃の巨人ED 海外の反応」と冠された動画が目に入りました。
「へ〜こんなジャンルの動画があるんだ」
最初は、それくらいの感想しか持ちませんでした。
その中に、Semblance of Sanity(日本では「SOS兄弟」と呼ばれる)というリアクターがいました。
同じジェットコースターに乗る
最初は何となく見ていたリアクション動画。そんな中、自分の世界がひっくり返るような、衝撃的な出来事がありました。
それは、SOS兄弟のハイキュー3期4話(『月の輪』)のリアクション動画との出会いです。
こちらの動画、多くの人にとっては、「外人が叫んでいるだけの動画」に見えるかもしれません。
しかし、私にとっては、全く違うものでした。
彼らと一緒に1話からずっとハイキューを見てきて、54話×25分=合計1350分を共にした後に見るこのシーンは、私にとっては何事にも変え難いものでした。
実際は、アニメ映像とリアクション動画が、横並びに表示されているだけなのに、まるで彼らが私の横に座っていて、同じ画面を見つめているかのような、そんな一体感を覚えました。
コロナの自粛期間で塞ぎ込んでいた心は一瞬で晴れ、気づくと私は彼らと一緒に叫んでいました。
これが、私の「リアクション動画にはまった瞬間」でした。
同じものを見ること = 人生を共有すること。
これは、私がリアクション動画を通して感じたことの一つです。
人間は、どれだけ努力しても、他人と完全に心を通わせることはできません。相手のことを理解していたつもりでいても、突然その人がいなくなってしまうこと、目の前にいても遠くにいるように感じてしまうことが、今までの人生の中で何度もありました。
そんな、かろうじて繋ぎ止めているだけのような脆い人同士の関わりの中で、「同じものを見ること」ほど、心を通わせることのできる体験は存在しないと、私は思っています。
エンタメコンテンツは、人の心の動きを、意図的にコントロールします。この場面では緊張を高め、ここで緩和する。さらにここで涙腺を刺激し、このシーンでは怒りを抱かせる。視聴者は、製作者の手のひらの上で心を転がされています。いわば、コースの決まっているジェットコースターに乗っているようなものです。であるならば、同じものを見た人は、「同じジェットコースターに乗った人」と考えることができます。
こんなにもエンタメが溢れていて、表示されるコンテンツが高度なレコメンド機能によって個別最適化されている時代において、同じものを見て、同じことを感じた人と、これからの人生の中で、どれほど出会えるでしょうか。そのかけがえのない体験を提供するコンテンツ、それがリアクション動画(同時視聴)です。
俺ならもっとできる
さて、リアクション動画の魅力に目覚めたヤンキーくん。2020年11月頃、どうやら「海外の反応翻訳チャンネル」なんてものがあるらしいと気づきます。
「海外の反応翻訳チャンネル」とは、外国人のリアクション動画に日本語字幕を付けて、日本人視聴者向けに翻訳動画を公開しているYouTubeチャンネルのことです。
日本人視聴者の「英語は苦手だが、海外のリアクション動画を楽しみたい!」というニーズ
海外リアクターの「日本人視聴者にも見てもらいたいけど、動画内に日本語字幕を入れるのはお金がかかるし、入れたところでそこまで日本人にリーチできないし…」というニーズ
そのどちらも満たした、まさに三方よしの存在です。
じきにAIがより発達し、翻訳チャンネルの存在意義は無くなることが予想されますが、現状の(安価な)翻訳ソフトでは、話者の聞き分け、ストーリー・会話の文脈の理解、固有名詞やキャラのセリフ・他作品からの引用の翻訳が不十分であるため、もうしばらくは言語の架け橋としての役割が期待されます。
翻訳チャンネルを運営していると言うと「自動化したら?」と言われることが多いので、それが難しい理由として記しておきます。実際に自動化を何度か試みたことがあるのですが、結局現時点では「手作業の方が早く、質の高い翻訳が可能である」という結論に至りました。説明文調かつ、単独話者の場合は、自動翻訳の役割が十分果たされるかと思います。
話が逸れました。
海外リアクターを見ていく中で、ある日、SOS兄弟のリアクション動画の翻訳をしているチャンネルを見つけてしまいました。
このチャンネルを見つけたときの私から出た言葉は、
「は…?」
この一言でした。
「いやいや、サムネが!バランスが!翻訳が!」と。言い切ることは避けておきますが、とにかくSOS兄弟に心酔していた当時の私は、「自分ならもっと魅力を伝えられる。ファンを増やせる」と心の底から思ったのです。
はじめての国際郵便
さて、こうして私は、海外の反応翻訳チャンネル「ヤンキー翻訳」を立ち上げました。ですが、まずは根本的な問題があることに気づきます。
「SOS兄弟から使用許可を貰わないといけない!」
そこで、想定しうる全ての連絡手段を駆使しDMを送りましたが、一切返信はありませんでした。正直なところ、チャンネル運営開始から1~2ヶ月ほどの間、私は無許可で翻訳動画を出していました。
ただ、諦めずその後も毎日DMを送り続け、最終的には手紙を書いて、国際郵便を送るまでに至りました。そして、SOS兄弟がファンからの手紙を読む動画の中で、ついに私の手紙が読まれる日が来たのです。
まとめると、「君のチャンネルの存在は知っていた。連絡は見逃していた。特に気にしていないから好きにやっていいよ」とのこと。紆余曲折ありましたが、ヤンキー翻訳は、晴れてSOS兄弟の公認日本人向けチャンネルの座を手にすることができたのです。
所詮グレーな切り抜きチャンネル
チャンネル運営開始後、収益化基準は問題なくクリアし、登録者数も安定して増加していました。
ところが、ここである一つの大きな問題にぶつかります。
著作権の問題です。
もちろん、運営を始める前から、薄々感じてはいたことでした。海外のアニメリアクション動画では、アニメ映像の一部を動画内に入れていますが、それがアニメ製作側に対する「著作権侵害」に当たるのではないか、ということです。実際、2021年頃、コンテンツホルダー側からの著作権侵害の申し立てにより、海外の反応翻訳チャンネルがアカウント停止処分を受ける事態が相次いでいました。
また、優しい視聴者の方からも、貴重なご意見をたくさんいただきました。
コメントをいただくようになってから、「自分は悪いことをしているのではないか」と思うようになりました。そして、自分が大好きなリアクターという存在も、社会的に否定されたような気持ちになりました。
しかしながら、本当にそうなのか。自分に悪気は全くないし、リアクション動画によって本当に誰かが傷付いているのか。そして、それは法的に許されることなのか。自分を責めるのは、客観的に「悪い」と証明された後でも遅くないのではないか。
ということで、私は著作権問題について、徹底的に調べ始めました。
ちょっとだけ異議あり!
法律的側面
まずは、法律の専門家に聞くのが一番だろうということで、インターネット上の知的財産関係に強いと言われている法律事務所で、30分10,000円の法律相談を受けてみました。すると、答えは「アウトですね」の一言。
天下の弁護士さんがアウトと言うならアウトだろうとも思いましたが、やはり諦めきれません。
適当にあしらわれただけだと思い込み、今度は自分の手で調べることにしました。そこで出会ったのが、「ビジネス著作権検定」という民間の資格試験(著作権に関する基礎的な知識を広く学べるので、おすすめです)。
この資格試験の勉強をしながら、著作権法について学びを深めていきました。そして、そこで学んだ知識を基に、リアクション動画の法的問題点をブログの記事にまとめて、発信しました。
詳細は記事を読んでいただきたいですが、基本的な論理としては、以下の通りです。
実際、「引用と認められるかどうか」の境界線は曖昧であり、法律的にはグレーな状態であると言えます。しかしながら、平成12年の著作物<脱ゴーマニズム宣言>の控訴審判決において、評論内における漫画のコマの引用が認められたという事例があることから、リアクション動画も合法なのではないかというのが私の見解です。
残念ながら画像や映像の引用については先例となる判決が存在しないため、現在はグレーゾーンとなっています。しかし、SNSの発達により、現代の人々の著作権に対する意識は日々刻々と変化していっています。今後の著作権法の行方に、注目ですね。
と他人事のように書いていますが、著作権問題について発信するのは怖いです。正直なところ、いつも怯えながら、勇気を振り絞って発信しています。それは、引用が認められるかどうかによって、私の人生が大きく変わるからです。
しかし、仮に私が訴訟を受けたとしても、そのこと自体が現行の著作権法に疑問を呈し、後に続く人たちが立ち上がってくれると信じているからこそ、発信を続けています。
経済的側面
さて、もう一つ大事な論点として、経済的な側面が挙げられます。つまりは、「アニメリアクション動画が出ることによって、アニメ製作側に経済的な負の影響を与えてしまっているのかどうか」という点です。
負の影響として考えられるのは、「その作品を未視聴の人が、アニメを無料で視聴する手段としてリアクション動画を利用する」の一つだけかと思います。
しかし、リアクション動画では、未視聴の状態でストーリーを追えるほど、アニメ映像が鮮明に表示されるわけではありません。
視聴済みの状態ですら、アニメ映像上のモザイクやミュートによって、ストーリーを追いづらく加工されています。そのため、リアクション動画がアニメ製作側に与える経済的な悪影響は皆無だと考えられます。
「むしろ何かしらプラスな影響を与えているのではないか」ということで、私はチャンネル内で以下のアンケートを取ってみました。
すると、34%の人が、リアクション動画きっかけでアニメを見始めたことがある、ということが分かりました。
つまり、リアクション動画は、アニメの宣伝の手段として機能し、かつ今までのインフルエンサーマーケティングと違い、依頼料ゼロで勝手に宣伝してくれる、アニメ製作側にとって貴重な広告塔になりうるポテンシャルを持っているのです。
また、「リアクション動画からアニメグッズの販売に繋げることができるのではないか」という仮説のもと、概要欄からグッズ購入へ導くという試みを実施しました。
すると、2022年1~3月の3ヶ月間のみの運用で、年間合計40万円以上の商品の購入が確認されました。
リアクション動画を見終えた直後の視聴者は、その作品に対しての熱量が最も高まっている状態にあります。そこで、グッズ購入に繋げることができれば、国内アニメ売上の大きな割合を占めるコマース市場を拡大させることができるのではないでしょうか。
以上の考察から、リアクション動画は、現状においてもアニメ製作側に対してプラスな経済的影響を与えていて、さらに使い方次第では、アニメ市場を爆発的に成長させるポテンシャルを持っていることが明らかになりました。
感情的側面
ただ、「法的に問題がないです」「儲かりますよ」だけで納得してしまうほど、人間は単純な生き物ではありません。
リアクション動画が一部の視聴者から問題視される最大の理由は、間違いなく感情的な問題です。
想定されるのは、「アニメーターが魂を込めて作った作品をバラバラにするな」「アニメーターは薄給なのに、アニメを見るだけでお金稼ぐなんてズルい!」といった意見です。
また、アニメメーカーの社員さん目線で考えると、「法的に問題はなくても、結局原作者さんがどう思うかだから…」といった感じでしょうか。最近、アニメ製作サイドの方にお話を伺う機会が何度かあったのですが、やはり皆さんが口を揃えておっしゃっていたのは、この「原作サイドの意見が全て」ということです。
これらの感情とコンプライアンスの部分については、反論のしようがないですし、事実として受け入れることしかできません。
何かを変えようともがく日々
法的・経済的側面において他人に迷惑を掛けていないことが分かり、私はYouTubeチャンネルの運営を本格化させました。「ヤンキー翻訳をもっと大きなチャンネルにすれば、リアクション動画の著作権の問題も解決できるはず」という思いのもと、私は大学を1年間休学し、チャンネルの運営に没頭しました。
今振り返ると別のやり方があったと思いますが、ビジネスのことなど1ミリも知らなかった当時の自分には、目の前の数字を伸ばすことしか見えていませんでした。
まず、翻訳は外注の翻訳者5~6人に任せ、毎日投稿を継続できる体制を確立しました。また、サムネイルやタイトルの研究を行い、サムネのクリック率を向上させました。
休学していた1年間の私は、狂ったようにPC作業をしていました。朝起きると、家の近くのドトールに向かい作業し、家で昼食を食べ、次はガストで、最後にドトールで締め作業をして就寝、という生活を毎日繰り返しました。
↓進撃の巨人ファイナルのリアクション動画を1秒でも早く翻訳して公開しようと、早起きして作業をするヤンキー↓
↓年越しの瞬間にPCを開き始めるヤンキー↓
継続的な努力と研究の結果、ヤンキー翻訳は、海外の反応翻訳チャンネル界隈でチャンネル登録者数No.1のYouTubeチャンネルに成長しました。
Do things that scale.(スケールすることをやれ)
しかし、1年間YouTubeに打ち込む中で、ヤンキーは重大な問題に気がつきます。
「チャンネル登録者数万人の弱小チャンネルでは、何も変えることができない」
いくら頑張ってリアクション動画を翻訳したとしても、リーチできるのは数万人の視聴者だけ。何度かアニメ製作側の企業にメールを送ってみたりもしましたが、当然相手にすらされず。
「このままではダメだ、ビジネスを学ばなければ!」
そう思ったヤンキーは、スタートアップ企業での長期インターンに参加することを決めました。
参加したのは、就活アプリを手がける株式会社Reeluのインターン。代表の今野さんが信じられないほど優秀で、仕事に対する向き合い方、サービスの立ち上げ方など、1ヶ月という短い期間でしたが、多くを学ぶことができました(インターン、アプリともにめちゃくちゃオススメです)
また、2022年8月、もう一つ私にとって大きな出会いがありました。それは、Aさんとの出会いです。
彼を最初に知ったのはTwitter上で、プロフィールには「同時視聴やリアクション動画に関わるプロダクトを作っています」と書いてあります。
「こりゃ話を聞きにいくしかねえ!」ということで、たまたまAさんが近所に来ていたこともあり、翌日ご飯を食べることに。すると、私が頭の中でぼんやりと思い描いていたことをすでに形にしている、しかも同い年の大学生であることが分かりました。
私は、自己嫌悪と焦りを感じました。「自分がYouTubeをちまちま伸ばしている間に、彼は何かを変えようと行動している。このままでいいのか、自分」と。同時に、大学生である自分でも、スケールするものを作って、リアクション動画界隈の現状を打破できるのではないか、と思えるようになりました。
触りまくった半年間
こうして2022年8月、数年前には「起業」という言葉に胡散臭さすら感じていたヤンキーが、起業を決意することになります。
ただ、事業に対する解像度が低く、何から手をつければいいかすら分かりませんでした。
そこで、2022年8~12月の約半年間は、ひたすら「情報を集める⇆仮説を修正する」のサイクルを繰り返しました。先輩起業家の方に相談、インキュベーションプログラムへの参加、想定ユーザーにヒアリング、ネットや本に転がっている情報を集めるなどインプットを積み重ねていきました。
最も意識したのは、「エンタメに触れまくる」ということ。アニメ・ゲーム、VTuberなどコンテンツに触れるのはもちろんのこと、YouTube・TikTokを見まくり、その中での気づきや学びはすべてメモしていきました。また、Mirrativ、Pococha、17LIVE、IRIAMなどライブ配信系サービス、ピッコマ、LINEマンガ、コミックシーモアなどのマンガアプリ、ABEMA、ニコニコ動画、UNEXTなどの動画配信サービスなど、toCのエンタメサービスはすべて使い倒しました。もちろん、海外配信者のリアクション動画からVTuberの同時視聴まで、リアクション領域のコンテンツにも、触れまくりました。
よく「競合優位性は何か?」と聞かれることがありますが、私にとってはこの継続の中で得られた「エンタメ領域に対する肌感覚」が、それに当たると考えています。
同時視聴は「孤独」のソリューション
半年間考えた末に見えてきたのは、「エンタメは、誰かと見た方が絶対に楽しい」という揺るぎない確信です。
ワールドカップは一人で見るより、友達や恋人と見た方が絶対に楽しかった。本田圭佑と一緒に見た方が楽しかった。アニメもドラマも映画も、友達とあーだこーだ先の展開を予想しながら見る方が面白い。
しかし、いつでも側に誰かがいるわけではない。一人で見るしかないときもある。
そんな時に、あなたと一緒に見てくれる存在が、「リアクター」です。
私が作りたいのは、「何かを見たい」と思った時に、一緒に見る相手をいつでも見つけられるアプリです(映像コンテンツはアニメに限らず、ドラマ、映画、バラエティ、スポーツなど、あらゆるジャンルに展開していく予定です)。
このように言うと、「いや、僕は一人で見る方が好きだけど…」と言う人がいることを、私は知っています。
けど、そんな方に一言!
あなたは、まだ知らないだけです。同時視聴という体験の尊さを。あなたにぴったりの同時視聴のパートナー「推しリアクター」を見つけたとき、あなたのエンタメ体験は何十倍も鮮やかに彩られることでしょう。SOS兄弟と一緒じゃないとアニメを見れない体になってしまった私が、その一番の証人です。
ここからもわかる通り、まだリアクション動画・同時視聴という体験に触れたことのある人が少なすぎる!ということで、私はプラットフォームをいきなり作るという方向には進みません。
「リアクター」という職業
まず、私は、ヤンキープロデュースのもと、人気リアクターを生み出し、世界初のリアクター事務所を作るところから始めていこうと思います。
3年間、数々のリアクターを見続けてきて、私には「面白いリアクター」になるために必要な変数が分かってきました。その変数を最大化していけば、フォロワー数100万人を超える人気リアクターを作っていけると確信しています。
私には、夢があります。それは、「リアクター」という新たな職業を創り出すことです。リアクターは、アニメや映画、バラエティ、スポーツなど、あらゆるエンタメコンテンツを見てリアクションをすることに特化したクリエイターです。
クリエイターエコノミーにおける、一つのコンテンツを作り出すのに必要な「手間」の変遷を辿ると、興味深い事実が見えてきます。
2000年代半ばに広がったWeb2.0により最初に登場した個人クリエイターとしての職業は、「YouTuber」です。彼らは、一本の動画に対して膨大な時間をかけて、企画・撮影・編集をこなし、動画を公開することで広告収益を得ます。
その後、国内ではSHOWROOM、Pocochaなどライブ配信アプリの登場により、「ライバー」という職業が生まれます。ライバーは、生配信がメインであるため、動画編集や、凝ったサムネを作る手間が不要です。VTuberも、YouTube上でのライブ配信により、編集コストを下げ、投げ銭による新たなマネタイズ手段を築いたライバーの一種と捉えることができます。
さらに、TikTokerは、プラットフォーム側が「流行りの音源・決められた踊り」というテンプレを与えたことにより、企画コストが大きく下がり、一般人でも参入しやすい職業となりました。
「ライバーにもサムネはあるだろ」等のツッコミは予想されますが、ここでは「なくなった」ではなく、「その行程にかける時間と重要性が下がった」という意味で使っています。
このクリエイターエコノミーの文脈の中で、必然の流れとして登場するのが「リアクター」という職業です。
リアクターは、Reactというアプリを開いて、アプリ内にあるアニメを見始めます。すると、勝手にスマホのカメラが起動し、アニメを見ている様子が撮影されます。アニメを見終えたら、撮影された動画を、ワンタップでアップロードするだけ。自分で企画を考える、カメラを用意する、そして動画を編集する必要すらない。ただ、「自分が何かを見ている時間」が「コンテンツ」に変わり、それが「価値」に変わるのです。
私たちは、現在、自社内でリアクターを生み出し、YouTube・TikTok上でリアクション動画に特化したメディアを立ち上げ中です。
リアクターとしての活動にご興味のある方は、こちらからご連絡ください!
最後に
ここでお待ちかね、最後まで読んでくださった方へのご褒美、置いておきます。
ちなみに、ヤンキーというあだ名は、小学生の頃、メジャーリーグのニューヨーク・ヤンキースの帽子をかぶっていたことに由来します。「不良だから」ではありません。
「ちょっと話が聞きたい」「1on1したい」「やっていることに興味がある」などありましたら、お気軽にTwitterのDMからご連絡ください!
コメント
柳澤悠貴