現在日本で国民的ゲームと呼ばれるまで一般家庭に普及した「人生ゲーム」。
実は、人生ゲームのベースとなったボードゲームは100年以上前にアメリカで生まれたんです。
この記事では、人生ゲームの発祥・歴史を紹介していきます。
アメリカ人は「THE GAME OF LIFE」をどう見るか?
まず、現代のアメリカ人は人生ゲームに対してどのような印象を持っているのでしょうか。
現在世界中で人気を博しているアニメ『呪術廻戦』内で、人生ゲーム(THE GAME OF LIFE)が登場しました。
アメリカ人は人生ゲームに対してどのような反応を示すのでしょうか(以下の動画をクリックすると、該当箇所から再生されます)。
ご覧いただいた通り、アメリカ人リアクターのお二人にとって、人生ゲームは馴染みのあるゲームであるということが分かります。
それでは、人生ゲームはいつ頃生み出されたゲームなのでしょうか。
①「THE GAME OF LIFE」の誕生 〜聖書の教えから生まれたボードゲーム〜
人生ゲームの原型となるゲームが誕生したのは、なんと1860年!しかも生み出したのは、おもちゃ会社やゲーム会社ではなく、印刷業を営む一人の青年でした。
1860年、米国マサチューセッツ州・スプリングフィールドで印刷業を営むミルトン・ブラッドレーという24才の若者が、古からあるチェッカーのボードに実際の人生で起こる出来事を盛り込んだ「THE CHECKERD GAME OF LIFE」という盤ゲームを考案しました。盤上のマスにポイントが獲得できる「善行のマス」と1回休み等になってしまう「悪行のマス」の2種類がある点が特徴で、「上か下に進む」「右か左に進む」という指示から好きな方向を選択してコマを動かします。
タカラトミー公式( https://www.takaratomy.co.jp/products/jinsei/history/1860.html )
ちなみに、”CHECKERED”は、「チェック(模様)の」という意味です。
下の写真からも分かる通り、初期の人生ゲームは盤面がチェック模様の至ってシンプルなものでした。
ただ、checkeredは「(人の生涯などが)波乱に富んだ」と言う意味で使われることもあります。もしかしたら二つの意味を掛けたネーミングだったのかもしれませんね。
②「THE GAME OF LIFE」の本格開発 〜アメリカン・ドリームの象徴〜
1960年、人生ゲームの生みの親であるミルトン・ブラッドレー社は創業100周年事業として記念商品を企画し、「THE GAME OF LIFE」を開発しました。
「THE GAME OF LIFE」は「THE CHECKERD GAME OF LIFE」のエッセンスを盛り込みながらも、ルーレットや家・山などの立体物などを採用することで、それまでにはない斬新な商品となりました。
黄金の60年代を迎えていた米国でまさに“アメリカン・ドリーム”を象徴したようなこの盤ゲームは多くの人々に受け入れられ、更に当時の人気テレビキャスターのアート・リンクレター氏(初代パッケージに印刷されている写真の男性)を起用するなどの手法も成功し大ヒット商品となりました。
こうして人生ゲームは私たちのよく知る形へと変化していったのです。
③「 THE GAME OF LIFE」と日本 〜タカラトミーの参入〜
1968年、経済成長の最中の日本で、タカラ社は、米国のゲームメーカーと提携して「THE GAME OF LIFE」を「人生ゲーム」として発売しました。
人生ゲームは、日本人にもともと馴染みのあった”すごろく”形式であることと、当時の強く豊かな憧れの国であった米国の”アメリカン・ドリーム”を象徴する商品として大ヒット商品となりました。
こうして日本においても人生ゲームは、家族みんなで楽しめる定番ゲームへと上り詰めたのです。