ヒーローアニメや映画で欠かせないのは、「主人公」と「敵」の存在です。「主人公」は英語で、「main character」「lead character」「hero」「antagonist」、「敵」は「enemy」「villain」「protagonist」など様々な呼称があります。皆様にもお馴染みの呼び方があったのではないでしょうか。
本記事では、この中でも「protagonist」と「antagonist」の意味と他の呼称とのニュアンスの違いについて解説していきます。
「protagonist」の意味
protagonist 主人公
「protagonist」は「main character」や「lead character」の言い換えで、「物語の主人公」という意味になります。他の二つと比べてフォーマルな響きがあります。
例文は以下の通りです。
The anime is set in a prison and the protagonist is a murderer.
このアニメの舞台は刑務所で、主人公は殺人犯です。
「protagonist」と「hero」の違い
ただ、注意すべきなのは、「protagonist」は必ずしも「hero」(正しい行為をしたり、人や世界を救ったりする人)であるとは限らないということです。数ある物語の中には、「protagonist」が世間的には悪人である場合もあります。『デスノート』の夜神月は、悪人の「protagonist」の最たる例です。
このようなニュアンスの違いから、「protagonist」は「hero」と置き換えると変になってしまう場合があります。例えば、
(誤)The boy saved my life. He is my protagonist.
この場合、”the boy”は物語のキャラクターではないので、「hero」でないとこの文章は成り立ちません。
(誤)The anime is set in a prison and the hero is a murderer.
「hero」が”murderer”(殺人者)であることはあり得ないため、この時は「protagonist」である必要があります。
「antagonist」の意味
antagonist 敵対者、競争相手
「antagonist」は「protagonist」の対になる存在で、「protagonist」を妨害してくるような存在です。日本語の名詞でピッタリ置き換えるのは難しいですが、「敵対者」が最も近い意味です。
ここでまた注意すべき点は、「antagonist」は「protagonist」に敵対する人であって、必ずしも「antagonist」が悪者・悪人であるとは限らないと言うことです。殺人犯が「protagonist」である場合があるのですから、世間的には正義の警察が「antagonist」になってしまうことがあるのは自然な流れではありますが。
先ほどお話しした『デスノート』で例えるならば、世間的な正しさ、正義という点では「hero」と考えられるLが「antagonist」になります。
まとめ
さて、「protagonist」と「antagonist」に善悪の区別は含まれないこと、対になって物語を展開していくキャラクターであることがお分かりいただけたでしょうか。
海外のアニメファンの方が多用する言葉ですので、ぜひ使えるようにしてください。
他にも海外のオタクの方とコミュニケーションを取る際に役立つ表現を解説していますので、興味のある方はチェックしてみてください。